仕事に明け暮れ、ひたすら業績を伸ばす事だけに努力した20代。
30代になり同僚よりも二つぐらい役職が上になり満足していました。
他よりも出世できた、そんな優越感がある意味、私の誇りでした。
ですが、そんな誇りが揺らぐ事件がありました。
会社の飲み会で同僚と話している時、愛人の話が出ました。
その同僚には若い愛人が居てかなりマニアックなプレイもしているようです。
仕事に明け暮れていた私は女遊びなどほとんどしていませんでした。
特に自慢された訳ではないにも関わらず、
男としての魅力で負けたような気がしました。
その日から私は愛人募集を始めました。
付き合っている彼女は居ましたが、愛人が居るというステータスが欲しかったのです。
同僚が持っているものを自分が持っていない、それがたまらなく劣等感でした。
出会い系サイトを使って愛人募集をしたのは良いですが、まったく反応がありませんでした。
それから何度も掲示板に投稿したり女性へメールを送りましたが
何一つ反応がありません。
仕事では何をやっても反応を貰えるのに、女性相手には一切ダメでした。
それからはネットで記事やブログを見て必死に勉強しました。
女性へのメールの送り方や好印象をもたれる方法、いろいろ吸収していきます。
初めて女性からメールが帰って来た時は感動しました。
改めて愛人募集をしようと思い掲示板に書き込んでいる時、たまたま彼女からメールが届きました。
女性への配慮などまったく知らなかった自分を好きになってくれた彼女。
同僚に愛人が居るから自分も愛人を作る。
そんな事に何の意味があるのかと、今更感じました。
自分には彼女が居る。それで良いと思いました。
近々、プロポーズして結婚できればと考えています。
だから愛人募集はやめました。